愛猫ゴン

ゴンがうちにやってきたのは１３年前だったかな。


前に飼ってた猫のミーヤが２歳で死んじゃって、悲しくて寂しくて。


２週間しないうちに出会ったんだ。


ペットショップのガラスの向こうから首を傾げてこっちにやってきたゴンと目が合って、
すぐにつれて帰った。


それから、中学、高校、大学、社会人と人生の半分以上を一緒に過ごした。


よくケンカもしたし、追いかけっこもしたし、冬になると一緒の布団で寝たな。


ゴンと離れたくないから憧れの一人暮らしもしなかったし、いつでも、できる限りまっすぐ家に帰ってた。


そんなゴンにべったりの私が、一大決心をして、世界一周しようと家を離れて３ヶ月ちょっと。


彼は心不全のため逝ってしまいました。


家を出る時、またゴンに会えるのか不安で不安でしかたなくて、「しっかりね。」と声をかけた私は、なんとなく気づいていたのかもしれない。


ゴンにお土産を買おうとしたり、
紺碧の海を見ては、ああ、ゴンの目と同じ色だな。なんて思ったり、
毎日毎日ゴンのことを想って、毎日ホームシックになっていた。


早く家に帰ってゴンに会いたい。


家に帰ったら、ゴンはどんな顔をして玄関まで迎えにきてくれるんだろうとか、
ふわふわの身体を抱きしめたときの感触を想い描いていた。


それなのに、こんなのないよね。


自分のやりたいことと引き換えに、もう二度とゴンに会えないなんて。


神様ひどいよ。


私はきっと一生後悔するよ。


この旅に出たことは間違ってたんだろうかって。


そんな考え自体間違いなんだけど。


今はすごく苦しい。


ゴンのためにも旅を続けて、何よりも楽しまなくちゃ。


一人じゃなくて一緒にいてくれる人がいて感謝してます。

でも泣いても泣いても涙が止まらないよ。

「美猫」という本にも載ったことのある美男子。

ちょっとおデブだけどね。